Dogra Magra (40) (a novel by Kyusaku Yumeno in 1935)

『ドグラ・マグラ』夢野久作(40)

それから母は僕を背負って、毎日毎日方々の家を訪ねていたようですが、どっちを向いても山ばかりだったので、毎日毎日帰ろう帰ろうと言って泣いては叱られていたようです。それから又、馬車と汽車に乗って東京へ帰りましてから、山の中で馬車屋が吹いていたのと、おんなじ音のする喇叭を買ってもらった事を記憶しています。

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