東京国立近代美術館の大竹伸朗展に行った。
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“Die Ringe des Saturn” W. G. Sebald (5)
“Die Ringe des Saturn” W. G. Sebald (4)
成長のどの過程においても常人より背が低く、ぎょっとするほど華奢、横にふくれた燃えるような赤髪で、薄緑に光る眼のアルジャーノン・スウィンバーンは、〈イートンの驚異のひとつ〉。W・G・ゼーバルト『土星の環』。
The Long And Winding Road (WIP)
ビートルズのロング・アンド・ワインディング・ロードを絵にしようと思った時、頭に浮かぶのは「おでんの屋台」で、この曲のメランコリックな雰囲気は、私としてはどうしても黄昏時の屋台と結びついてしまう。そしたら先日、焼き芋屋のトラックに出くわし、これだと思いました。
Only a Northern Song (WIP)
The dream I had yesterday
Grosse Victime Magazine N° 11
フランスの不定期刊行アートブック『Grosse Victime Magazine』が、私の絵を前号に引き続き最新号(11号)に載せてくれました。この本のシリーズはアングレーム国際漫画祭にてオルタナティブBD賞に複数回ノミネートされており、今年もノミネートされました。
上の絵はビル・ブラントの写真を元にした水彩画で、下の左の絵はオレンジマーマレードの瓶に入った榊を描いたアクリル画です。隣りの方の絵が赤いですが、それが植物の緑と良いコントラストになっています。なぜか今回はクレジットの名前がMikiではなくMikyになっている。ミキーって感じ。内容はいつも通り少し過激で、不協和音みたいな、雑音みたいな、ブラックコメディみたいな、、、なんというか良く分からないけど、複数のアーティストの絵や詩などが、ごった煮のように混ぜ込まれていて非常に濃いです!部屋の壁に貼りたくなるようなかっこいいページがたくさんあります!A4サイズ、96ページ、中身は上質紙っぽい手触りの紙、ユポみたいなマット系ソフトカバー、15ユーロ。
Shakespeare Never Did This (6)
『ドグラ・マグラ』夢野久作(14)
若林博士はコンナ風に云いまわしつつ、その青冷めたい、力ない視線をフッと私の顔に向けた。そうして私がモウ一度座り直さずにはおられなくなるまで、私の顔を凝視していたが、そのうちに私が身動きは愚か、返事の言葉すら出なくなっている様子を見ると、又、気をかえるようにハンカチを取出して、小さな咳払いをしつつ、スラスラと話を進めた。
「……然るに去る大正十三年の三月の末の事で御座います。忘れもしませぬ二十六日の午後一時頃の事でした。卒業されてから十八年の長い間、全く消息を絶っておられた正木先生が、思いがけなく当大学、法医学部の私の居室をノックされましたのには、流石の私もビックリ致しました。まるで幽霊にでも出会ったような気持ちで、何はともあれ無事を祝し合った訳でしたが、それにしても、どうしてコンナに突然に帰って来られたのかとお尋ねしますと、正木先生は昔にかわらぬ磊落な態度で、頭を掻き掻きこんなお話をされました。
「イヤ。その事だよ。実は面目ない話だがね。二三週間前に門司駅の改札口で、今まで持っていた金側時計を掏摸にして遣られてしまったのだ。モバド会社の特製で時価千円位のモノだったが惜しい事をしたよ。そこでヒョイッと思い出して、十八年前にお預けにしておいた銀時計がもし在るならばと思って貰いに来た訳だがね。……ところでその序に、何か一つ諸君をアッといわせるような手土産をと思ったが、格別芳ばしいものも思い当らないので、そのまま門司の伊勢源旅館の二階に滞在して、詰らない論文みたようなものを全速力で書き上げて来た。そこでまずこれを新総長にお眼にかけようと思って、斎藤先生に紹介してもらいに行ったら、それはこっちから紹介してもいいが、役目柄、学部長の若林君の手を経て提出した方がよかろうと云われたから、こっちへ担ぎ込んで来た訳だ。面倒だろうがどうか一つ宜しく頼む」
というお話です。そこで……申すまでもなく保管してありました時計は、すぐに下附される事になりましたが、その時に正木博士が提出されました論文こそ、ダーウィンの『種の起源』や、アインスタインの『相対性原理』と同様……否、それ以上に世界の学界を震駭させるであろうと斎藤先生が予言されました『脳髄論』であったのです」
Shakespeare Never Did This (5)
Radio Europa
Yukio Mishima interviewed
たまたま1963年の三島由紀夫のインタビューを観て印象的だった。
インタビュアー:ご自分をお好きですか。
三島由紀夫:キライじゃありませんね。それはね、あの、少年時代の自己嫌悪は非常に強かった。あーだけど、自己嫌悪っていうのは非常に非生産的な感情だと思ってよしちゃったんですよ。それから好きになりました。
その後に笑顔になるのだけど、その笑顔が、さわやかというのでは全然ない、なんともいえないスゴイ笑顔。何かがじわじわと10段階ぐらいに分けてにじみ出てきているかのような。戸棚の扉をゆっくりと開けたら、奥に仕舞っておいたニタニタ笑いの頭蓋骨が少しずつ見えてきた感じ。
Dogra Magra (13) -a novel by Kyusaku Yumeno in 1935
『ドグラ・マグラ』夢野久作(13)
その間に若林博士はグルリと大卓子をまわって、私の向側の大きな廻転椅子の上に座った。最前あの七号室で見た通りの恰好に、小さくなって曲り込んだのであったが、今度は外套を脱いでいるためにモーニング姿の両手と両脚が、露わに細長く折れ曲っている間へ、長い頸部と、細長い胴体とがグズグズと縮み込んで行くのがよく見えた。そうしてそのまん中に、顔だけが旧の通りの大きさで据わっているので、全体の感じが何となく妖怪じみてしまった。たとえば大きな、蒼白い人間の顔を持った大蜘蛛が、その背後の大暖炉の中からタッタ今、私を餌食にすべく、モーニングコートを着て匐い出して来たような感じに変ってしまったのであった。
“Die Ringe des Saturn” W. G. Sebald (3)
“Die Ringe des Saturn” W. G. Sebald (2)
“Die Ringe des Saturn” W. G. Sebald
Rock band names in Chinese language
今日急に、ティーンエイジ・ファンクラブは中国語でどう書くのかなと思い調べてみた。私の安易な推測は「若年楽倶楽部」だったが、正解は「青春歌迷俱乐部」だった。ああ、青春の歌かあ。「迷」が入っていると、青春特有の悩みとかを歌っているイメージが湧くけどそういうことなのでしょうか。ついでにビートルズも調べたら「披頭四樂隊」だった。特徴的なヘアスタイルの4人の音楽隊、という感じですね。「音楽的甲虫」とかかと思ったら違った。ラモーンズは「雷蒙斯」だった。暴走族の当て字みたいだけど、雷という漢字がBlitzkrieg Bopのようだし、3文字並んだ字面が、攻撃的で早くてすぐ終わる曲を次から次にやるバンドという雰囲気が出ている感じがする。ブラーは「模糊」(曖昧模糊の模糊)、クラフトワークは「電力站樂團」、ビーチボーイズは「海灘男孩」、メタリカは「金属乐队」。面白いなあ。日本語で外国語を表記する時は、発音をそのままカタカナで書くだけなので意味を考えることはあまりないけど、中国語の場合は内容を独自に解釈した上で漢字で表現するところが日本語の外国語表記と違うなと思った。ということは、中国人の方が日本人より深く考える習慣がついている、ということなのかなー、、、。
Frozen cranberry juice [My tiny pieces of Colorado] (WIP)
Shakespeare Never Did This (4)
Radio Pluto
“Hello, this is GSPR, Radio Pluto. The reception area is the entire Milky Way galaxy”
「ハロー、こちらGSPR、レイディオ・プルートーです。受信エリアは、天の川銀河全域です」
冥王星にあるラジオ局です。空に浮かんでいるのは衛星カロンです。小さな木材に描きました。
Shakespeare Never Did This (3)
Plantagenet Radio
今「プランタジネット・ラジオ」を作っています。プランタジネット朝の時代の音を受信することができる装置です。基本はゲルマニウム・ラジオです。電子工作ど素人で、最初は配線図を見てもチンプンカンプンでしたが、なんとか見様見真似ではんだ付けしました。しかし今のところ、中世イングランドの音どころか、現代のAMラジオも聞こえてきません。アンテナが悪いのかな。銅線をコイルに巻いたアンテナが必要なのか、もう少し大きくする必要があるのか。ちょっとさっぱり分からないけど、せめて雑音ぐらいは受信できるまでがんばってみます。
一年365日、毎日毎日「いいね」「いいね」「いいね」、、、、、、に心底うんざりした。エンドレス・ナイトメアのよう。見れば見るほど憂鬱になる。チャールズ・ブコウスキーのヨーロッパ紀行の本に「あらゆるものをしっかりと見るのは間違いだ。それは消耗でしかない」と書いてあって、本当その通りだと思った。それに私は人の反応を気にしすぎるし、あっちにフラフラ、こっちにフラフラで主体性がない。たぶん私はインスタグラムはあまり向いていない気がする。でもインスタをやっていたから出会えた人(実際には会っていない人も含めて)もいる。むずかしい。