Glasgow

スコットランドのグラスゴーに行ってみたいな。

最初に「グラスゴー」という言葉を見たのは、高校生の時に愛読していた「ビートルズ事典」です。ジョンがポールの馬鹿でかいネクタイをハンカチがわりにしてふざけている写真が載っていて、キャプションが「グラスゴー公演を前にして」だった。その時はグラスゴーがどこにあるのかよく知らなかったけど、その「グラスゴー」という響きが妙に印象に残っていて、「グラスゴー、グラスゴー、グラスゴー」と何回も心の中で唱えてみた。この「ゴー」で終わるところが特異というか、普通の町の名前じゃない感じがした。

今、ネットでグラスゴーの語源を調べると、平凡社世界大百科事典には「〈緑の峡谷〉を意味するケルト語gleschuが語源である」と書いてある。英語版wikiには「glasはブリソン諸語、スコットランド・ゲール語、ウェールズ語で〈灰緑、灰青〉、cöüは〈窪地〉を意味し、総じて〈緑の峡谷〉という意味になる。また、ゲール語のGlas Caomhからの翻訳で〈親愛なる緑の場所〉という意味もある」というようなことが書いてある。

私は、英語で宿り木を意味する「ミスルトゥ」という言葉にも、グラスゴーと似た不思議な響き、どこか妖精っぽい、苔や羊歯の匂いがする暗く湿った森、という現代英語とは違う太古の雰囲気を感じるのだけれど(林望のイギリス関係の本にも似たようなことが書いてあった)、ミスルトゥの語源はグラスゴーと同じケルト系なんだろうか(と思ってこれも今少し調べたら、古英語とゲルマン語に由来する可能性がある、とwiktionaryにある)。

それで、なぜ今この気になる響きを持つ街、グラスゴーに行きたいのかというと、フランツ・フェルディナンドやヴァセリンズ、ベル・アンド・セバスチャンなど、好きなバンドの出身地であるということもあるけど、なによりティーンエイジ・ファンクラブを辞めてしまったジェラルド・ラブのソロライブに行ってみたい、というのが最大の理由です。そこで早速2023年のライブスケジュールを調べたところ、全く情報がなかった。ジェラルド・ラブ自体、ネット上にあまり情報がない(と思ったら、この後LightshipsのFacebookを見つけた。しかも2012年のソロアルバムElectric Cablesが2022年12月に再版されていた)。TFCを辞めた主な理由がワールドツアーに出たくないというだけあって、2022年はグラスゴーを中心に何回かライブをしたようですが、今年ももう少し半ばになればスケジュールが出てくるのかな。

グラスゴーはどんな街なんだろう。写真で見る限り、古い建物が少なく普通の都市に見える。エディンバラのように長い歴史が灰色の石に染み付いて、染み付いて、染み付いて、亡霊と混ざってそこら辺の路地に駄々洩れしている、という感じはしない。人口は63万人でスコットランド最大、イギリス全体でも、ロンドン、バーミンガム、リーズに次いで4番目だそうです。もっと小さい規模の街だと思っていたので意外だ。グラスゴーにいくのであれば、ついでにジュラ島とかハイランドの方にも足を延ばしたい。人けのない北の最果てみたいな景色の中でスコッチ・ウィスキーを飲んでみたい(お酒弱いけど)。

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