Daguerréotypes by Agnès Varda (9)

アニエス・ヴァルダのドキュメンタリー『ダゲール街の人々』に出てくる肉屋の夫婦。色々な種類の肉が、羊歯のような葉を下にして白い大理石の台に並んでいる。最近あまり見なくなったけど、日本の町中に昔よくあった近所の魚屋のよう。氷と葉の上に新鮮な魚が並べてあって、吊るされた白熱電球の光が鱗に反射していた。魚屋は大分消えたけど、個人でやってる町の肉屋は結構残っていて、そういう店のコロッケとかお惣菜は大抵おいしい。こちらのパリの肉屋では客が「子羊のもも肉を1枚」とか「牛肉を2枚、ハラミの部位で頼む」と注文し、旦那が手際よく切り分ける。肉に対する客の知識が、一般の日本人客より深そう。旦那が肉を捌いて奥さんが会計担当なのは、うちの近所の肉屋と同じ。

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