The underground river of the Roman Empire

『イタリアの魔力』(島村菜津/著)の地下の話が好きだ。ローマのサン・クレメンテ教会の地下には、古代ローマの邸宅を再利用した地下の教会があり、その下にはさらに2世紀のミトラ教の神殿跡があり、時代が層のようになっているという。最下層の床に耳をあてると、勢いよく水が流れる音がする。古代ローマ帝国の都を流れていた川の水位に相当するそうで、その音を聞いた途端「産毛の逆立つような感動の波が押し寄せた。自分はいま、永遠の都のふところに抱かれているのだ、と感じた」と著者が書いているのには私も感動した。古代ローマの音をたった今現実に聞いていて、川の流れを通じた時間を超えるつながりというものに対しての感動。

ちなみに、著者の島村菜津さんには今年の夏、初めてちょっとだけお話しする機会があり、この本『イタリアの魔力』にサインをいただいた。長年の愛読書の著者にお会いでき、また本の語り口そのままのとっても気さくな方で、こちらも大感動だった。

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