San Francisco

97年頃、デンバーからサンフランシスコに3日間ほど旅行に行った。
ケーブルカーに乗っていたら、中華街にさしかかったところで信号待ちで止まった。どこからともなく軽快な音楽が聞こえてきて、どんどん音が大きくなってきたと思ったら、目の前の反対車線にもケーブルカーが止まった。数人がチューバとかギターとかを演奏していて、車内にぎゅうぎゅう詰めの普通の乗客らしき人たちが自然発生的に踊りまくっていた。それを見ていた中華レストランのおじさんも、それまで店の前でキャベツか何かをでっかい包丁で刻んでいたのだけど、いきなり音楽に合わせて踊り始めた。早い太極拳みたいな動きで包丁を振り回しながらダイナミックに踊っていて、周りの歩行者も笑って見ていた。そのうち信号が青になり、踊る乗客とバンドを乗せてケーブルカーは離れていった。5秒くらいの出来事だったかもしれないけど、妙に時間が引き延ばされた感じで、白昼夢を見たようだった。いかにもアメリカ的な出来事で、よくありそうな事ではあるけど、それでも何か不思議な余韻だった。

その同じ日の夕方。友人とカーディガンズのライブに行く前にコンビニに寄ったら、ブロンドのショートカット、赤いレザージャケットの華奢な女の人がいた。顔は良く見えなかったけど、3人ぐらいで英語ではない言葉をしゃべっていた。その一時間後ぐらいにライブに登場したボーカルの人は、コンビニで見た女の人と同じ格好をしていた。やっぱりあれはニーナ・パーションだったんだな。

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